中小企業の採用担当者が、大手に勝つために超えるべき壁と3つの対策
2023.06.13
採用手法の多様化により、ますます激化する採用市場。 買い手市場から情勢の変化によって現在は売り手市場になっています。 待っているだけでは当然 ”自社に合った人材”を確保できる可能性が低いことくらいは、採用担当者なら気づいていることでしょう。 それが大手企業ならまだしも、中小企業となれば更に深刻ではないでしょうか。 日本を支える中小企業はなんと全企業数の99.7%を占めており、日本の雇用の大部分を担っています。 参照:独立行政法人 中小企業基盤整備機構
では、そんな中小企業が大手企業にも負けない、もしくはそれ以上に発展するための採用活動を行う中で越えなければいけない壁とは一体何なのか。 またその壁をどのようにして乗り越えていくべきなのかについてお話し致します。
1.人材採用においての課題
①人材の獲得競争の過熱化
採用活動を行う際に何から始めるかと言ったら、もちろん求人媒体の活用が一般的じゃないでしょうか。 先述の通り現在転職市場は売り手市場。 求職者からすると選択肢が増えているため、知名度が低い中小企業は不利と言われています。 どんなに良い企業だとしてもそれを発信できる力がなければ目に留まりません。加えて継続的に広告を出すことだって限界があります。 また費用や時間を割いても、応募がこなかった・会いたい人材に出会えなかったという結果になることも少なくないでしょう。
②採用担当者の激務
中小企業が抱える悩みとしてよく挙げられるのはどのポジションでも人員不足が起こっているということ。 中小企業では1人ひとりの裁量が大きいため、責任のある仕事をできるといった利点がある一方、それは何を意味するかというと採用担当者が採用以外のポジションを兼務している場合が多いということです。
③欲しい人材の専門化
採用ターゲットを決める際に求める人材要件はより専門化・高度化しています。 求人媒体に求人広告を出稿する際や、人材紹介会社に求人を依頼する際に自社が求める人材を言語化することの難易度が上がっています。 現場も多忙のため、採用担当者と現場でのギャップが生じ採用担当者が孤立してしまうといったことも経験がある方は多いのではないでしょうか。
そこでこういった中小企業の採用活動を妨げる壁に対して、 終止符を打つべく採用担当者がとるべき行動と具体的な対策について次からお話し致します。
2.中小企業で採用成功している企業の3つのポイント
①明確な”採用戦略”がある
その名の通り、明確化された採用目標があることはまず大事なポイントです。 この採用目標がぶれてしまうとどういった人材を確保するか定まらないまま走り出してしまい工数の無駄を招くことになります。
②”マーケティング”を用いた採用の導入
マーケティングには様々な定義があります。一言でいうならば、「売れるための仕組み作り」です。 顧客が求めるものに対し、どのような価値を生み出すのかが根幹にあるので、これを採用に置き換えるとつまりこういうことになるのではないでしょうか。 ◎【自社が求める人材】が【欲しいもの】は、 【自社にあります】 ということを発信し納得してもらわないといけないのです。 そのために大事なのが自社が求めるターゲットの明確化と明瞭化をすることです。 また、限られたリソースの中で最善を尽くすためには、何かを”捨てる”考え方がカギになっていきます。
★では、実際に何を”捨てる”べきなのか
★募集をかける人 →採用ターゲットを捨てるということは誰もが欲しがるような人材の採用は捨て、尖った人材を採用するというイメージです。 【尖ってはいるが、うちなら活躍ができる!】 たとえば、”やる気”だけに絞って人材を振り分ける。 未経験でもやる気があり、残業ができます、やとにかく自分の成長のために働きたいです!といった人材以外を”捨てる”。
★募集をかける手段 →そもそも出している求人媒体が自社に合っているのか、これが分かっていない中小企業の採用担当者は一定数いるのではないでしょうか。 大手企業が多い媒体ではどんなにアピールをしても埋もれてしまう可能性が高いです。 そうすると、中小企業が強い媒体を選定しそこで戦う方が工数をかける意味も出てきます。 中小企業に強い媒体:WantedlyやGreenなど こういった媒体の特徴は、福利厚生ではなく企業のビジョン・ミッション・価値観に共感した人材を確保しやすくなっています。 ”捨てる”というとネガティブなイメージを持たれるかとは思いますが、ターゲットを絞るという意味で必要な”捨てる”作業です。
③接近戦で求職者を口説く
中小企業の選考フローで大事なことは、まず自社が選ばれることです。 その、選ばれたうえで求職者を選ぶことが必要になっていきます。 通常のフローは、説明会orカジュアル面談→一次選考、といったような流れが一般的だと思います。 ここで中小企業の場合、選考に進む前にもっと接触量を確保することがポイントです! ★1時間の説明会や面談を30分に分割する ★社員の座談会を開催する ★社長やマネージャーなどのトップ面談を開催する 接触量を増やすことで自社の魅力の訴求にもなりますし、求職者もそのうえで選考に進むためミスマッチが起こりにくくなります。
まとめ
中小企業は大手企業に比べて社長やマネージャーなどの役職者と距離が近い、というのはどんどん打ち出していくべき魅力です。 一見乗り越える壁、というと難しく聞こえるかもしれませんがいらない工数や作業を捨てることで、やるべきことが見えてくると思います。 売り手市場の今、地道な採用活動をどれだけ行えるかが企業の未来を左右することになるのではないでしょうか。