じわじわと広がる、ジョブ型採用を取り入れてみよう

2023.12.04

コロナウィルスが全世界的に流行し、VUCA時代と言われる昨今、
当然働き方にも変化が訪れています。

終身雇用や年功序列が疑問視され始め、キャリアの在り方が問われる中、
会社に依存することなく主体的に自身のキャリア形成をしていこうという姿勢は、これからの社会を担っていくZ世代の学生たちにも影響を与えているのです。

このグラフを見ても、半数以上の採用担当者がZ世代の採用活動や新入社員の受け入れにおいて何らかの変化を感じているという事が分かります。

幅広い選択肢の中で取捨選択をしながら生きているZ世代において自身のキャリア形成や、ジョブローテーションの制度を意識するのは当然のことです。

「多様な働き方があるので、その時々の自身の関心や優先度に応じてキャリアを築いていきたい」や「やりたいことや、身に付けたいスキルから逆算して、キャリアを形成したい」といった意見がZ世代から寄せられました。

そういった、「自身で主体的に選択したい」という思いが強いZ世代の学生が多いことがこのような変化をもたらした大きな要因と言えるでしょう。

ではその変化に採用担当者が柔軟に対応し、どんなことに取り組めば良いのか。

そこでこのジョブ型採用がキーワードになってくるのです。

そもそもジョブ型採用とは、
その言葉の大本に、「ジョブ型雇用」という雇用形態全体を指す言葉があるのです。

ジョブ型雇用は、人に対してではなくポジションに対して報酬が設定されている雇用形態でありアメリカなどでは一般的です。

まずポジションがあり、そこに適した人を雇用する、適さないと判断したら解雇する。
日本型の雇用形態とはだいぶ異なりとても厳しいものです。

そういった厳しい雇用形態で人材を採用する際のポイントを紹介していきます。

1.自社内での必要なポジションを明確にする

まずは自社内にどのポジションが必要なのか、ここは必ず明確にしなければいけないポイントです。
その上でポジションに支払う報酬を算出し、さらにそのポジションに求められる能力を明確にする……という相当に厳密な計画が必要となります。

2.人事施策と求人媒体の見直し

ジョブ型採用の大きな特徴として成果主義であるため、入社後の昇進・評価基準などの見直しの他に、既存社員と不公平が生じないように、人事施策の見直しも行うことが必須になるでしょう。

また自社が求めるキャリア人材の採用のためには、従来の求人媒体だけでは難しい場合があります。

より自社の魅力が伝わる募集記事の作成や、求職者に訴求できる広報ツールの活用、こうした工夫が採用を大きく左右します。

3.配属後の不安を払拭する

「採用されるまでどんな仕事に就くか分からない」というのは従来型採用での求職者側にとっての最大のデメリットです。

そのため面接時には、具体的な業務内容を細かく提示することはもちろんのこと、募集記事を作成時にもしっかりとどういった業務でどのような能力が必要か記載することがポイントです。

こういった不安を払拭することにより企業側も、入社後に任せる業務のミスマッチも防ぐことができ双方にとってのメリットになるでしょう。

一方で注意しないといけないポイントも、、

・原則として
「あらかじめ指定した職務以外への転勤や配置転換ができない」という制限があります。

・人材確保が難しい
ジョブ型採用が主流の欧米では人材の流動性が高く、専門性のある人材が多くいるため採用は比較的容易ですが日本においては、職務によっては人材の獲得が困難なケースもでてきます。

このようにまだまだ日本での採用においてはジョブ型採用は主流ではないため、試行錯誤を繰り返しながら進めていく必要があるでしょう。

まとめ

企業と求職者のミスマッチについては長年の課題であるかと思います。

ではなぜそうしたミスマッチが起きるのか。そもそも最初からすり合わせができていないところから生じてしまうため、入社前にお互いに納得することができればこのジョブ型採用は企業側・求職者側双方にとって非常に有効な採用手法と言えるでしょう。

近年採用トレンドは大きな変化を遂げています。
この変化に柔軟に対応していける採用担当者が自社にいるのか、いないのか。

今後の採用成功を左右するのはこうした採用トレンドを素早くキャッチしていかに自社に合った手法で取り入れていけるのか。これが大きなカギとなるでしょう。